戦後の旅客列車用直流電気機関車
113系 / EF58 122(東京駅)
EF58形は、旅客列車用直流電気機関車である。昭和21年(1946年)〜昭和23年(1948年)に箱型車体で31両が製造された。暖房用蒸気発生装置(SG)が省略されたため、冬季には別に石炭焚きボイラー付の暖房車を連結する必要があった。
昭和27年(1952年)〜昭和33年(1958年)に自動式のSGを搭載するため車体が延長され、半流線型となった。141両製造され、合計172両となった。
機器類の多くは貨物用のEF15形と共通化されていた。
1980年代にほとんどが営業運転から撤退、令和5年(2023年)お召し機の61号機が除籍されたことにより形式消滅した。
EF13 5(新宿駅)
EF58形の箱型車体は、昭和28年(1953年)〜昭和32年(1957年)に後期型と同じ半流線型車体となり仕様も統一された。捻出された箱型車体は、戦時設計の凸型車体だったEF13形に載せ換えられた。寸法がほぼ合致、両数も同じ31両だった。
東京駅に到着する夜行急行列車牽引のEF58 113
東京駅に到着の夜行急行列車
後部に連結されたEF58 132 / 中線の11番線(東京駅)
東京機関区
東京駅で見られたEF58は、夜行列車や荷物列車牽引が多かった。夜行列車が到着するとEF58を切り離して中線の11番線で機回しして後部に連結、田町駅〜品川駅間にあった東京機関区に回送していた。
平成3年(1991年)東北新幹線は東京駅に乗り入れるが、その工事のとき中線は撤去された。
EF58重連(日暮里駅付近)
F58 123(上野駅)
東京駅発着のブルートレインはEF60 500番台であったが、上野駅発着の はくつる はEF58 / 常磐線経由の ゆうづる は、EF80形交直流電気機関車 牽引だった。
EF58 153(上野駅)
はくつるが到着するとEF58を切り離して機回しして後部に連結、尾久機関区に回送していた。上野駅の機回しは、青森・岩沼方から入線の列車は7番に入線で8番線で機回ししていた。
EF61 3
EF61 2牽引の荷物列車(東京駅)

EF61形はEF58形の後継として設計され、昭和36年(1961年)から製造された旅客列車用直流電気機関車である。EF60形の1次形をベースにしており、冬期の客車牽引に対応するSG1B形暖房用蒸気発生装置を搭載している。
動力近代化計画によって旅客列車を電車化することとなり、18両に留まった。他にEF60形を改造した200番台が8両あった。
山陽本線・瀬野〜八本松駅間(瀬野八)の急勾配区間の補助機関車用に8両が改造された。
昭和60年(1985年)までに廃車された。