所沢寺社石仏撮影散歩
西武新宿線・航空公園駅〜中富・下富地区〜所沢新町〜西武新宿線・航空公園駅
航空公園駅 航空管制部前交差点 桜木神社 殉職之処碑 市民武道館 中富八雲神社 多聞院 下富いぼ地蔵 神米金八雲神社 下富片側八雲神社 所沢新町八雲神社 長青寺 航空公園駅
桜木神社 木村・徳田両中尉殉職之処碑
航空公園駅より、南西側にYS11が展示されている航空公園駅口交差点を越える。並木通りを東へしばらく進むと、航空管制部前交差点がある。下新井交差点を右折して、下新井新道を南へ進む。十字路を左折して東へ進むと、左手に嘉永3年(1850年)創建の桜木神社がある。社殿が古いときには、神霊スポットと云われていたところである。鬱蒼とした雑木林の中にあり人通りも少なく、薄気味悪い。境内には小さな石祠が数多くある。下新井交差点まで戻り、右折して東へ進む。所沢聖地霊園の右手に駐車場がある。奥にある木立ちのなかの小道を進むと、左手に昭和4年(1929年)造立の“木村・徳田両中尉殉職之処碑”と“墜落地点標石”がある。大正2年(1913年)青山練兵場より所沢に帰還中のブレリオ機が突風により左翼が破壊され墜落、木村・徳田両中尉が殉職した。日本で最初の飛行機事故による犠牲者となっている。
桜木神社:所沢市下新井町1360
馬頭観音 庚申塔 稲荷神社
航空管制部前交差点まで戻り、右折する。在日米軍所沢通信基地の東側を通り、県道56号線(さいたま上福岡所沢線)を北へ進む。斎場入口交差点の先に斜めに交差する稲荷小路と呼ばれる古道があり、左へ北に進む。左手の民家の庭先に明治時代造立の馬頭観音がある。さらに北へ進むと、ニュータウン通りに突き当たる。左手に嘉永5年(1852年)造立の庚申塔、右手に稲荷神社がある。
稲荷神社:所沢市中富1592
地蔵 中富(安松新田)八雲神社 普門品供養塔
ニュータウン通りを右折、さらに市民武道館前交差点を右折して県道56号線(さいたま上福岡所沢線)を南へ進む。右手に安永3年(1774年)造立の地蔵、斜め向かい側の市民武道館前バス停前に中富(安松新田)八雲神社がある。平成13年(2001年)社殿の改修碑がある.。県道56号線(さいたま上福岡所沢線)に面した境内に、安政3年(1856年)造立の普門品供養塔と文政11年(1828年)造立の道標も兼ねる馬頭観音がある。
馬頭観音
中富(安松新田)八雲神社所沢市中富1565
さらに南へ進むと、すぐ右手に昭和4年(1929年)造立の馬頭観音がある。直進すると斎場入口交差点になり、三角に巡ったことになる。
馬頭観音
中富八雲神社 庚申塔 庚申塔
県道56号線(さいたま上福岡所沢線)を市民武道館前交差点まで戻り、さらに北東へ直進する。松下交差点、県道126号線(所沢堀兼狭山線)の中富交差点を越える。小学校入口交差点の北東側に中富八雲神社がある。すぐ左手に天保14年(1843年)造立の庚申塔がある。しばらく進むと、多聞院入口交差点の手前左手に享保元年(1716年)造立の庚申塔がある。県道56号線(さいたま上福岡所沢線)を挟んだ反対側の茶畑に祠がある。多聞院入口交差点を左折して北西に進む。この道は所沢市と三芳町の境界になっている。
茶畑の祠
中富八雲神社:所沢市中富1032
多聞院本堂 毘沙門堂 毘沙門堂に奉納された小さな寅
多聞院入口交差点から15分ほどすると、T字路の多聞院前交差点に突き当る。北側に元禄9年(1696年)創建の多聞院[真言宗豊山派]と宝歴11年(1761年)創建の神明神社がある。 上富・中富・下富は川越藩主・柳沢吉保によって開拓された地区で、多聞院は三富開拓民の祈願所として創建された。本尊は大日如来。明和3年(1766年)再建の毘沙門堂には、武田信玄の守り本尊であったと云われる純金の毘沙門天が祀られている。毎年5月1日に行われている寅まつりは、毘沙門天の化身である寅に願いを請う祭り。堂の周りには小さな寅が数多く奉納されている。時期が重なる牡丹は、境内に約300本が植えられている。
本堂手前の駐車場に、文化4年(1807年)造立の馬頭観音と宝暦4年(1754年) 造立の大乗妙典日本廻国供養塔がある。馬頭観音の左側面には、秩父坂東四国百番供養塔と彫られている。
馬頭観音  廻国供養塔
道に面した境内に、文政10年(1827年)造立の奉納石と天保6年(1835年)造立の普門品供養塔がある。普門品供養塔の左側面には、秩父坂東四国百番供養塔と彫られている。
奉納石 普門品供養塔
享保4年造立の地蔵 明和5年造立の地蔵 地蔵
本堂手前の左手に、享保4年(1719年)造立の地蔵(勝軍地蔵) / 明和5年(1768年)造立の地蔵(勝軍地蔵)/  地蔵 がある。
弘法大師 鬼の悟り お多福
茶湯石 寒念仏 地蔵
毘沙門堂への参道近くに、昭和9年(1934年) 造立の弘法大師 / 昭和55年(1980年)造立の鬼の悟り /  造立年不明のお多福 / 造立年不明の茶湯石がある。茶湯石は、川越藩主・柳沢吉保が野点(のだて)をした場所である。毘沙門堂の裏に造立年不明の寒念仏、墓地入口に昭和9年(1934年)造立の地蔵がある。
神明社拝殿  神明社天満宮  甘藷乃神神社 
神明社は、宝歴11年(1761年)多聞院境内に創建される。祭神は天照大神。参道右手に、寛政12年(1800年)造立の石祠が納められた天満宮がある。拝殿に左手奥に、天明元年(1781年)造立の石祠と甘藷乃神(いものかみ)神社がある。三富地区は 長い歳月を経てさつまいもの生産がなされるようになったところである。文化年間文化年間(1804年〜1817年)には、川越“富のいも”として評判となったと云われている。 
石祠
多聞院 / 神明社所沢市中富1501
[寄り道]木ノ宮地蔵堂 / 多福寺
多聞院前交差点から北東に進むと三芳町で、しばらくすると左手に安永6年(1777年)に再建された木ノ宮地蔵堂がある。本堂に木造の地蔵、本堂裏の奥之院に石の地蔵がある。北西側の木立のなかに元禄9年(1696年)創建の多福寺がある。江戸時代に川越藩・柳沢吉保により、所沢の三富地区(上富・中富・下富)とともに開拓された地域である。
木ノ宮地蔵堂 多福寺 
木ノ宮地蔵堂:埼玉県入間郡三芳町上富字木ノ宮1501
多福寺:埼玉県入間郡三芳町上富1542
多聞院前交差点を北東へ、すぐに左折して北西へ道なりに進む。砂川堀都市下水路を越え、変則十字路を左折する。しばらくすると、左手のフェンスに造立年不明の馬頭観音がある。さらに進むと右手に下富公民館がある。 
馬頭観音 下富公民館
下富いぼ地蔵  いぼとり地蔵  地蔵
さらに進むとすぐに県道126号線(所沢堀兼狭山線)と交差する。下富中央交差点を右折して北西へ進む。次の富岡小入口交差点を右折してしばらくすると、左手に下富いぼとり地蔵がある。堂の左側が延享2年(1745年)造立のいぼとり地蔵、右側が嘉永7年(1854年)造立の地蔵である。絵本にも登場している。絵本に描かれている情景や古い資料の説明は、かなり異なっている。「雑木林を抜けた畑の中の三叉路に小さなお堂がある。」と書かれている。古い資料では県道126号線(所沢堀兼狭山線)が開通する前で、県道126号線(所沢堀兼狭山線)の西側を数回探している。西側で訪ねたためか、ほとんどの方は知らなかった。下富いぼ地蔵は、いぼ取りや子供の病気を治すのに御利益があると云われている。願いをかけるときに泥の団子、願いがかなったときに白い米団子を供える。
[寄り道]三芳町 いぼとり地蔵
三富地区と同じ時期に開拓された三芳町にもいぼとり地蔵がある。木ノ宮地蔵堂から東へ進み、けやき並木通りを右折して南へ進む。すぐ右手に開拓名主・島田家の門がある。上富小学校前バス停の左手に天保2年(1831年)創建の天王様、右手に旧島田家住宅と続く。さらに進むと右手に、いぼとり地蔵がある。
いぼとり地蔵 
いぼとり地蔵:埼玉県入間郡三芳町上富1280
富岡小入口交差点に戻り、右折して県道126号線(所沢堀兼狭山線)を北西へ進む。新開交差点で県道6号線(川越所沢線)と合流、右折して6号線(川越所沢線)を北へ進む。すぐに歩道橋がある変則五差路があり、南側に道標を兼ねている文化年間(1804年〜1817年)造立の馬頭観音がある。変則五差路の北側は川越市となる。県道6号線(川越所沢線)を南へ進むと、左手に新田開発の碑がある。 
馬頭観音 新田開発の碑
神米金八雲神社 神米金八雲神社社殿 庚申塔
普門品供養塔 地蔵 如意輪堂
新田開発の碑からしばらく進むと、川越所沢線は下富交差点で富岡中央通りと交差する。下富交差点の南西側に、神米金八雲神社がある。境内に享和元年(1801年)造立の庚申塔 / 元治元年(1864年)普門品供養塔 / 享保9年(1724年)造立の地蔵が並んでいる。神米金八雲神社の左隣に、若山牧水の生家がある。 社殿の裏手に如意輪堂がある。 
神米金八雲神社所沢市神米金282
如意輪堂:所沢市神米金281

神米金(かめがね)は、明治9年(1876年)に村落が合併した際に付けられた地名。神谷新田の“神” 久米新田の“米” 堀兼(堀金)新田の“金”を合わせて作られる。

下富片側八雲神社 普門品供養塔 聖観音
下富交差点を左折して、富岡中央通りを東へ進む。変則十字路の下富片側交差点の北東側に、下富片側八雲神社がある。富岡中央通りに面したところに、弘化2年(1845年)造立の普門品供養塔と天文5年(1740年)造立の聖観音がある。向かい側に、文化5年(1808年)造立の奉読誦法華普門品十萬巻供養塔がある。
普門品十萬巻供養塔 
下富片側八雲神社所沢市下富599
牛頭天王社 牛頭天王社石祠 弁財天
変則十字路の下富片側交差点を右折して南へ進む。すぐ右手に牛頭天王社、境内の奥に慶応元年(1865年)造立の牛頭天王社石祠がある。かめがね新道と交差する手前左手に、宝暦11年(1761年)造立の弁財天がある。
牛頭天王社所沢市神米金88
百八十八ヶ所供養塔 改道記念碑 馬頭観音
かめがね新道の交差点を越えて進むと、十字路の北東側の角に天保2年(1831年)造立の西国坂東秩父百八十八ヶ所供養塔 / 昭和50年(1975年)造立の改道記念碑 / 享和元年(1801年)造立の馬頭観音がある。馬頭観音の左側面に、奉読誦普門品一萬巻供養塔と彫られている。
直進して次ぎの交差点を右折して西へ進む。県道6号線(川越所沢線)と所沢新町交差点で交差、南東側の祠に寛政6年(1794年)造立の庚申塔がある。 
庚申塔
 所沢新町八雲神社 所沢新町八雲神社社殿 和多古舎標石
馬頭観音 地蔵(勝軍地蔵) 地蔵(念仏供養)
所沢新町交差点を左折して、2本目の道を右折して西へ進む。しばらくすると右手に火の見やぐらが見えて来る。火の見やぐらの下に所沢新町八雲神社がある。神明社と稲荷神社が合祀されている。鳥居の左手に天保6年(1835)造立の和多古舎標石があるが、詳細は解らない。さらに西へ進むと、右手の畑に造立年不明の馬頭観音がある。すぐに左手の角の堂に、明和7年(1770年)造立の地蔵(勝軍地蔵)と天明2年(1782年)造立の地蔵(念仏供養)がある。
所沢新町八雲神社所沢市所沢新町2506
長青寺山門 長青寺本堂 地蔵
西へ進み、かめがね新道を左折して南西へ進む。突き当りを左折して南へ進む。しばらくすると県道6号線(川越所沢線)と交差、右折してすぐに北所沢町交差点を左折して南東へ進む。突き当りを左折して、次の交差点を右折する。すぐ右手に昭和37年(1962年)創建の乾坤山・長青寺[曹洞宗]がある。山門前に昭和57年(1982年)造立の地蔵(子護地蔵)、境内左手に昭和63年(1988年)造立の地蔵(慈光地蔵)がある。さらに南東へ進むと駅前交差点で、右折すると航空公園駅に至る。
地蔵
長青寺長青寺所沢市弥生町2868
[寄り道]所沢航空記念公園
YS11 C46中型輸送機・天馬 所沢航空発祥記念館
明治36年(1903年)ライト兄弟が世界初の飛行に成功する。日本では明治44年(1911年)所沢飛行場完成時に、徳川好敏陸軍大尉が最初の飛行に成功する。以後昭和20年(1945年)まで飛行教育・航空機研究等が行われことから、航空発祥の地と呼ばれている。戦後は米軍基地となっていたが一部返還され、所沢航空記念公園となっている。東京航空交通管制部 / 所沢市役所 / 所沢警察署 が一角にある。50ヘクタールにおよぶ公園はけやきに囲まれており、その一片が日本一長いけやき並木になっている。航空公園駅前に戦後の純国産旅客機YS11が展示されている。公園内を東へ10分ほど進むと、所沢航空発祥記念館がある。航空自衛隊入間基地で実際に使用されていたカーチチス・ライト社のC46中型輸送機・天馬が屋外展示されている。館内には、国産軍用機・会式1号機のレプリカをはじめ、飛行機やヘリコプターが展示されている。
所沢航空発祥記念館内