都電荒川線
都電荒川線は、東京都荒川区南千住の三ノ輪橋駅〜東京都新宿区西早稲田の早稲田駅を結ぶ軌道路線。都電は東京都23区を中心に路線が展開されていたが、ほとんどが廃止された。唯一現存する都電の路線となっており、専用軌道の部分が多い。王子電気軌道によって敷設され、当時の東京市が買収した経緯をもつ路線。都電27系統(三ノ輪橋駅・赤羽駅間)と32系統(荒川車庫前駅・早稲田駅間)として運行されていた。
都電1日乗車券 荒川車庫
西武池袋駅より305号線(明治通り)を南へ進む。10分ほどすると、左手に鬼子母神西参道がある。鬼子母神に立ち寄り、南東へ進むと都電荒川線・鬼子母神前駅がある。乗車時に都電1日乗車券を購入する。荒川車庫前駅が見えてくると、都営交通創業100周年の催事で大変な人出になっている。
都電おもいで広場 都電おもいで広場 都電おもいで広場スタンプ
車庫の右手、通りに面したところに“都電おもいで広場”がある。5500形(5501号車) / 旧7500形(7504号車)が展示されている。5501号車は、昭和29年(1954年)に製造されたPCCカーと呼ばれた高性能車。アメリカの最新の技術を導入して造られた車両で、流線型の車体と低騒音・高加速が特徴であった。三田車庫に配属され、1系統(品川駅前駅〜上野駅前駅)で使用された。旧7500形(7504号車)は昭和37年(1962年)に製造された、当時の都電としては珍しい2つ目のライトが特徴。当初は青山車庫、路線の縮小に伴い荒川車庫に配属された。

昭和42年(1967年)に廃車された5501号車は、上野公園で保存展示されていた。野外で屋根はなかった。平成元年(1989年)に荒川電車営業所に移送され、平成3年(1991年)に修復が行われる。荒川車庫の片隅に保存されていた。平成19年(2007年)に再度修復が行われ“都電おもいで広場”に展示される。画像は、上野公園で保存展示されていたときの5501号車。車体の痛みが見られた記憶があるが、モノクロネガもゴミ / カビ / ひび割れで傷んでいた。

7022号 トラバーサー 車庫の模型
当日は荒川車庫工場が見学できる様になっていた。工場を通り抜けると、普段は見られないトラバーサーのデモンストレーションが行われていた。トラバーサーは平行に移動させる装置で、鉄道の車両基地などで使用されている。車両の入替えを行う際、奥にある車両も効率よく引き出せるために考案されたと云われている。工場内に展示されていた車庫の模型は、トラバーサーの雰囲気が出ており、模型マニアにはたまらない。
 
三ノ輪橋駅
9001号 花電車
荒川車庫前駅のホームは大変な混雑で、梶原駅まで歩き乗車する。三ノ輪橋駅も大変な混雑で、線路沿いに撮影ポイントを探す。荒川七丁目駅・荒川七丁目駅間で待っていると、9001号車が通過する。昭和初期の東京市電をイメージした車両で、平成19年(2007年)から運行されている。5分ほどすると、昭和53年(1978年)以来33年振りの花電車が通過する。生花が飾られていない、目を疑う花電車であった。三ノ輪橋駅・荒川車庫前駅間2往復 / 荒川車庫前駅・早稲田駅間2往復が運行となっていたが、興醒めして1往復の撮影で退散する。